公益財団法人長野県長寿社会開発センター

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特集・ウイズコロナ時代をどう生きるか【学ぶ】

尚絅学院大学の松田先生のゼミ参加のお誘いを受け、長野県長寿社会開発センターのシニア地域プロデュサーの皆さんが5月からオンラインゼミに参加しています。松田先生から「ステイホームでおしゃべりする人がいないと、寂しい思いをしている皆さん、あらためてオンラインでおしゃべりの効用と作法を体験学習してみませんか?」こんな問いかけをいただきました。オンラインからは一番遠いシニア層かもしれませんが、これからの新しい生活様式に取り入れることで暮らしが、より豊かなものになるかもしれません。また、若者との対話の機会は若者に対する思い込みや、決めつけの壁を超え、新たな社会参加の形態が生まれる可能性があると思います。ゼミの中では、平等な会話をすることも大事なルールです。
今回は松田先生から、「等話」と題してメッセージをいただきました。

新たな暮らしのヒント.02

等話(とうわ)をしよう! 平等な会話をしよう! Equal Conversation !

松田 道雄(生涯学習論) 
尚絅学院大学教授・長野県シニア大学地域プロデュース専門コース合同授業講師 

 

世の中には、たくさんの不平等がある。
歴史的な人種の不平等。
裕福な人とお金に困っている人。
自分の可能性を伸ばす機会に恵まれている人と恵まれていない人。
国によっても不平等はあるし、
世代によっても不平等はある。
あなたのまわりはどうだろうか?
1753年(フランス革命の36年前)、
フランスのアカデミーが「人々の間における不平等の起源は何であるか、そしてそれは自然法によって容認されるか」という主題で懸賞論文を募り、
ジャン=ジャック・ルソーは2年後『人間不平等起源論』を著わし応募した。
(原題『人間の間の不平等の起源と基盤のディスクール』)。
それから260年以上たった今も、
不平等の問題はなくならない。
不平等をなくすには、どうしたらいいだろうか?
少子高齢が進む日本では、
高齢者への年金の支払いが増大する分、
子どもへの教育費は少ない(他国と比べても)。
未来を生きる子どもに不平等な社会の未来は、明るいだろうか?
しかも、未来の子どもたちが使うお金まで、
大人たちは、今の危機を救うためと膨大に前借りして使っている。
その分、大人は未来の子どもたちのために何をすべきだろう?
世代が平等な循環になるには、どうしたらいいだろうか?
たくさんの不平等があることに対して、
私たちも、できることをしようではないか!
できることは、平等にしようとする心を育む学習。
だれかが論じることではなく、だれもが育むこと。
では、何で、平等にしようとする心を育めばいいだろうか?
最も身近に手軽にできるのは、
私たちがだれでもしている会話だ。
日頃、私たちがしている会話も不平等なことはたくさんある。
上司は一方的に話し、部下は黙って聞くだけ。
教師は一方的に話し、生徒は黙って聞くだけ。
政治家は一方的に話し、市民は黙って聞くだけ。
優位な立場の者が会話を支配する。
対等なのに、相手の話を聞こうとせずに、
自分ことだけ話す人も、けっこういる。
でも、年長者が一方的に話すのを、
若者が聞きたいとは思わないのと同じように、
一方的に話す人との会話に、満足する人はいない。
親は子どもに教えるべきことを話すが、
それ以上に、子どもに問いかけ、
子どもが話すことに耳を傾けることで、子どもは育つ。
同じように、
生徒が話すことにも教師は耳を傾けるべきだし(そうしている)、
市民が話すことにも政治家は耳を傾けるべきだ(そうしているはずだ)。
困っている人の声には、みなが耳を傾けるべきだ。
立場を越えて、
お互いに平等に話し、相手の思いに耳を傾け合う会話をしよう!
そう、だれとでも、平等な会話を。
会話は、お互いが自分のことを話すだけではない。
自分のことだけ話すのなら、壁に向かって話せばいい。
相手の思いに耳を傾け、相手の話題をいっしょになって考え、
相手のためになることを話そうとする。
そして、自分の思いも語り、
自分の話題にも相手がいっしょに考えてくれることを期待する。
お互いに、相手とともに存在していることを感じ、
相手のために知恵を出し合うこと。
そうすれば、その場で、思わぬアイデアを生み出すこともできる。
共同の創造だ。
自分と異なる人との会話は、
自分にとって、新たな世界を開いてくれる。
一方的ではなく、相互的で平等な会話を体験しよう!
それによって、少しずつでも世の中の不平等がなくなっていくと信じたい。
平等な会話のルールは簡単。
自分が話したいことの一部を短く話す(一度に全部話さない)。
最後に相手に問いかける。
「どう思う?」(反応)、
「どうしたらいいでしょう?」(相談)、
「どうですか?」(提案)、・・・。
相手は答える。それからつなげて自分が話したいことの一部を短く話す。
また、最後に問いかける。
話す、問いかける、聞く、答える、話す、問いかける、聞く、答える、・・・。
これを、お互いに繰り返す。
この会話のキャッチボールで、平等な会話を体験学習できる。
様々な立場の人たちと
世界中で、平等な会話の学習が行われたら、
だれもが、人は、人とともに生きていることを実感し、
人間社会は、どんなにか、
たくさんの笑顔と創造を生み出し、
孤独、対立、差別を消し去ることができるだろう。
これこそが、
未来の子どもたちにも残し伝えていくものではないか。

さあ、平等な会話を楽しもう! 

長野県のシニア地域プロデューサーが宮城県の若者と話をしている。

 

2020年6月寄稿

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