信州版 人生ニモウサク劇場

このページでは シニア層の社会参加や 高齢者を支える 様々な取組をご紹介します。

  • シニア事例

長年続けてきた環境活動とシニアならではの視点を活かし、いち早く災害支援の現場で「生ごみのたい肥づくり」の活動を開始した「NPO法人みどりの市民」を紹介します。

災害支援の現場で「生ごみのたい肥づくり」の活動を開始(長野市)

何かしよう!何ができるのだろう?経験を活かしてできることはないだろうか?
発災直後、何かできないだろうか。泥出しは年齢的にも難しい。私たちにできることはないだろうか…そう考えていた「みどりの市民」代表の渡辺さん。
 まずは被災した知り合いを見舞いながら現場に足を運びました。そこで目にしたのが避難所で毎日出される生ごみでした。それを見た瞬間、「私たちにはこれしかない!生ごみのたい肥化だ!」そう思ったそうです。
 「みどりの市民」が10年以上続けている、「段ボール箱による生ごみのたい肥化」の活動を避難所でできないかと、メンバーで話し合いました。メンバーもほとんどがシニア層、泥出しはできないけど何かはしたいという思いで、「たい肥化」の話はすすみました。
 避難所の方にも相談をして、避難所の方や運営側にもいっさい迷惑をかけず自己完結型のボランティア活動が始まりました。
災害支援の現場で「生ごみのたい肥づくり」の活動を開始(長野市)の画像1
避難所につくられた「生ごみのたい肥化」コーナー
段ボール箱で生ゴミのたい肥化
 毎日、避難所の朝食と昼食後一日2回、時間を見計らってメンバーが避難所を訪れ活動します。
当番はたい肥用の段ボールを車にのせて持参します。
 避難所のリサイクルコーナーの片隅でたい肥化の作業をします。
 避難所のリサイクルコーナーは、運営スタッフの皆さんが中心になり避難者が仕分けしやすいように工夫されています。
 みどりの市民の活動時には、避難された方から「ご苦労さま」「いつもありがとうございます」など声をかけていただいていました。ちょっとした会話が生まれることも日を追うごとに増えたようです。
 たい肥化の作業が終了したら、リサイクルコーナーの分別のお手伝いもして、段ボールを車に積みこみ持ち帰ります。
 たい肥化活動プラスαのシニアならではの気づきが活動をより豊かにしています。
 当番表を作成し、避難所開設期間この活動を毎日繰り返しました。
 段ボールたい肥化の活動は避難所閉鎖と同時に終了しましたが、みどりの市民の活動はこれからも続きます。
災害支援の現場で「生ごみのたい肥づくり」の活動を開始(長野市)の画像1
掲示でお弁当の分別をお願い
すべては持続可能な社会づくりにつながること
 みどりの市民は長年、環境学習、環境教育を掲げ、持続可能な社会づくりを学ぶ場を提供してきました。日常の地道な活動があったからこそ、瞬時に今回の活動につながったのだと思いました。
 「いま、できることから ひとつ、ひとつ」と渡辺さんは、一人ひとりができる可能なことを教えてくださいました。
 そして、生ごみ処理やごみの分別一つ一つが、災害とつながっていることも。
 目の前のできることを一人ひとりが気にして、実行することで、心豊かな自然と地域を子どもたちに残していく持続可能な社会につながるのだと感じました。
(戸田千登美 主任シニア活動推進コーディネーター 2019.12)
災害支援の現場で「生ごみのたい肥づくり」の活動を開始(長野市)の画像1
たい肥化した生ごみはにおいもありません

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