信州版 人生ニモウサク劇場

このページでは シニア層の社会参加や 高齢者を支える 様々な取組をご紹介します。

  • シニア事例

コロナ禍によって地域の住民主体の活動の多くが縮小、休止になっています。そんな中、可能性を探り、活動を柔軟に変化させ地域と高齢者の関係を途切れることなく支えている木島平村の「夢ひろば」をご紹介します

寄らし・来らし「夢ひろば」(木島平村)

「夢ひろば」の新たな取り組み
 新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、午前のみのオープンに切り替え、さらに4月中旬からは「夢ひろば」は閉めていました。
 夢ひろばに通うことを日課にしていたおじいちゃん、生活必需品を買い求めに来て、お茶を飲んで話をしていく一人暮らしのおばあちゃん達の行き場が無くなってしまいました。

 代表の眞篠淳子さんは「行き場(居場所)が無くなってしまい、社会とのつながりが切れてしまい孤立化していくのでは…」「フレイルも加速してしまう…」と危惧していました。
寄らし・来らし「夢ひろば」(木島平村)の画像1
いつもは入り口までにぎやかな声が聞こえてきます
今できることをやろう!
 そこで思いついたのが、「夢ひろば」内で販売している生活必需品の宅配でした。
 仲間に相談したところ、「協力するわよ。」と心強い言葉が返ってきました。ボランティアで「夢ひろば」を一緒に続けてきた仲間のつながりに眞篠さんは嬉しく思った、とのことです。

 早速、「毎週月曜日午前のみ(9:30~12:00)、電話注文を受けて商品を揃え宅配する」活動を始めました。4月27日(月)から始め、今日で3回目。宅配時には消毒セットを携帯し、玄関へ入るとき、出てくるときは取っ手を消毒するのがきまりです。
 平均7件くらいの宅配依頼があります。「買い物もしたいけど、人と話したいとみんな思っているんだよ。」と夢ひろばを開けらないことを思い、残念そうに眞篠さんは話します。
寄らし・来らし「夢ひろば」(木島平村)の画像1
注文を受ける眞篠さん
届けてもらって、話ができてうれしいよ
 宅配を利用している森さん(80歳)は、一人暮らしのおばあちゃん。今回買ったものは、パン・お菓子・缶詰等。「いつもは自分で歩いて行くんさ。でも今はダメだから、夢ひろばが開いたらすぐ行くよ。」と話してくれました。
 一人暮らしの山本さんも「助かるよ、生活に必要なものばかりだし。でもほんとはそこへ行きたいんだ。」「一人でいると気分も優れないけど、こうやって持ってきてもらうとうれしいし、夢ひろばがないと生きていけないよ。」と。

 電話で注文を受けている眞篠さんは、話し相手にもなっています。「家の中ばかりにいちゃだめよ。太陽にあたってね。」と声をかけます。
寄らし・来らし「夢ひろば」(木島平村)の画像1
宅配する品々
日ごろの活動の大切さを改めて実感
 配達しているメンバーは、配達ついでに話し相手、よろず相談等にものっています。「こういう状況になってみて、自分たちのやってきたことが、地域の人たちに必要とされていたとしみじみと感じる。」とメンバーの勝川さん。
 配達の商品には、長寿社会開発センター北信支部の企画「スマイル・プロジェクト」の手作りマスクが添えられています。「栄村のおばあちゃんたちが作ってくれたんだよ、出かけるときは着けてね。」と声がけしています。     
 
 同じ北信濃に住む者同士、『できることのおすそ分け』の精神が今まで以上に地域のつながりを深めているように感じました。
寄らし・来らし「夢ひろば」(木島平村)の画像1
「スマイルプロジェクト」の手作りマスクも喜ばれています

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