信州版 人生ニモウサク劇場

このページでは シニア層の社会参加や 高齢者を支える 様々な取組をご紹介します。

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    シニア事例

昔取った杵柄を活かして、子どもたちと一緒に楽しむ元大工さん。
あたたかな眼差しと懐の深い接し方、なんとなく安心する雰囲気。年を重ねたシニアならではの魅力が教室全体を包み込みます。

子どもたちからの言葉が宝物(中野市)

きっかけは
中野市立日野小学校裏のマラソンコースにはたくさんの竹が育っています。
 その竹を使って「竹っこランドをつくろう!」が竹内さんと日野小学校の児童たちが出会ったきっかけでした。
 昨年、日野小4学年の担任教諭は「竹とんぼ作りを教えてくれる講師を紹介して欲しい。」と中野市社協の神田ボランティアコーディネーター(以下神田さん)へ相談しました。しかし、あてにしていた講師の都合が合わず、神田さんはシニア大学北信学部2学年に在籍していた竹内裕助さんが頭に浮かびました。
 社協とシニア大学は日ごろからの連携があり、シニア大学の授業に顔を出している神田さんは、竹内さんが元大工だということを知っていましたので、相談を受け、竹内さんに打診。即OKの返事をいただきました。
子どもたちの発想に竹内さんの技術と知恵が融合
子どもたちが作りたい「竹を使った遊び道具」は様々でした。輪投げ・弓・空気鉄砲など。
 作りたいものを形にしていく、その中で竹内さんが培ってきた技術や知恵が加わってクオリティの高い、子どもたちの満足するものが出来上がっていきました。
 もちろん子どもたちは大喜び!!
 後日、竹内さんの元に感謝のお手紙が届きました。(原文のまま記載)
 「竹内さんのおかげで力が強くていい弓矢になりました。」
 「竹内さんのアイデアで通過させると、やってもとれなくて、こわれなくてよかったです。(中略)竹内さんは私たちにとって大切な人です。」

 「この手紙は宝物だ。」と嬉しそうに竹内さんは微笑みます。
子どもたちからの言葉が宝物(中野市)の画像1
「うまく飛ばない…」と相談に来れば、「どれどれ見せてごらん」と優しく接する竹内さん。
今年は「竹細工クラブ」の先生に
コロナ禍でシニアの方々も学校とのつながりが薄くなっていることを心配していた最中…竹内さんから「今年は竹細工クラブの講師で行ってるよ。」と連絡が入りました。
 6月から始まり、全5回。クラブ員で作りたいものを決めていきます。8月は弓矢とコップとはしを作っていました。
「弓は竹を反らせてゴムを引っかけ、ゴムを引っかけるためには、少し切り込みを入れておくと具合いいよ」「矢はしっかりサンドペーパーをかけないとケガするよ」「のこぎりは真っすぐ曲がらないように」とポイントで声は掛けますが、基本的にはあまり世話を焼かないのが竹内さんのスタイルです。
 子どもたちの考える力、自発的な行動を尊重し、見守っています。その温かい眼差しに子どもたちは安心して「竹内さん、竹内さん」と寄ってきているように見えました。
子どもたちからの言葉が宝物(中野市)の画像1
「紙やすりをかけると手が熱くなるね!」「矢がツルツルになってきた」と体験して学ぶ。
子どもたちからの言葉が宝物(中野市)の画像2
「竹っこランドを作ろう」の様子をタウンミーティングで紹介しました。
「子どもたちが凄いんさっ!」
「子どもたちが凄いんさっ!」と竹内さんはたびたび口にします。
「子どもたちが考えたことにちょっと手を貸すだけだ」と。
 この関わり方、話し方が子どもたちにとっても心地よい時間になり、安心した雰囲気を醸し出すのもシニアの魅力の一つだと改めて感じました。

 数日後、竹内さんの元へ「竹細工クラブ」の子どもたちから手紙が届きました。(原文のまま記載)
 『竹ざいくのわからないことをかんたんにおしえてくれたり、水でっぽうを作ってくれてありがとうございました。』
 『はじめてのこぎりで竹をきるとき、おしえてくれてありがとうございました。あと、ぼくのことをしんぱいしてくれてありがとうございました。』

 竹内さんの『宝物』がまた一つ増えました。そして子どもたちにとっても竹内さんは『宝物』です。

(北信支部シニア活動推進コーディネーター 松永 静香)

子どもたちからの言葉が宝物(中野市)の画像1
「竹細工クラブ」のみんなから届いたお手紙

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