信州版 人生ニモウサク劇場

このページでは シニア層の社会参加や 高齢者を支える 様々な取組をご紹介します。

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公民館とコミュニティースクールとセンターが連携して実現できました。 普段接することが少ない中学生と地域の大人が輪になり語り合った「大人としゃべり場 トークフォークダンス」は、相手を変えながら「話し、聴く」シンプルなスタイル。『対話』が世代を超えたつながりを生み、安心して暮らせる地域づくりにつながります。

大人と子どものおしゃべり新スタイル「トークフォークダンス」(千曲市)

それは、台風の翌々日…
 2019年10月15日、それは、あの台風19号が長野を過ぎ去った翌々日。 普段接することが少ない中学生と地域の大人が「顔の見える関係」を作ろうと、千曲市立戸倉上山田中学2年生と地域の大人それぞれ125人が向き合って、輪になり語り合う「大人としゃべり場 トークフォークダンス」の開催日でした。
 台風直後で、果たして皆さんは体育館に来てくれるだろうか…中止にすべきか…主催する戸倉公民館の中村主事は決断を迫られました。(センター長野支部との共催事業)
 「こんな時だからこそ地域のつながりづくりが大切です。なにより生徒たちが楽しみにしています。」というコミュニティースクール担当の先生の後押しもあり、予定通り開催することになりました。
大人と子どものおしゃべり新スタイル「トークフォークダンス」(千曲市)の画像1
相手を変えながら「話し、聴く」シンプルなスタイル
「ダンスはちょっとね・・・(苦笑)」
いえいえ、ダンスではありません。
1対1で、フォークダンスのように次々と相手を変えながら、進行役が出すお題にわずか1分間で「話し、聴く」というシンプルな対話のスタイルで、誰もが思わず話したくなるのが「トークフォークダンス」です。
>参加者の声掛けは丁寧に…
初めて聞く「トークフォークダンス」。参加者を募る際に気づいたことは、まずは主催する私たち自身がワクワク感を持つことでした。
「孫くらいの子どもたちが向き合って話を聞いてくれる地域の人を待っています。笑顔でおしゃべりする子どもとあなたの姿を想像してください。次にまちで出会ったら『あの時はどうも』なんて中学生とのご近所ばなしに花が咲くかもしれません。」
参加者は応えます。「なんだかわからないけれど、そういうことなら…」
相手の心に届く「そういうこと」を情熱を持って伝えることができたのか…いつも問われます。
大人と子どものおしゃべり新スタイル「トークフォークダンス」(千曲市)の画像1
活気あふれる話し声が体育館からこぼれます
一期一会
 講師で進行役のNPO法人ハンズオン埼玉の西川 正さんは「トークフォークダンス」のことを『一期一会』と話します。
 平日の昼間ということもあり、大人の参加者の多くはシニア世代です。体育館には大人と子どもの大きな輪が2つできました。
 大人と中学生が向き合って座ります。
Q「子どもたちに聞きます。昨日、何をしていましたか?」
Q「大人の方に聞きます。今まで生きてきて大事にしてきたことは何ですか?」
出されるお題に会場がどっと沸き立ちます。
 次は「学校にひとこと伝えるとしたら!」のお題に、子どもたちの熱量がこの日一番に高まります。「親にも先生にも話さない、本音の気持ちを明かしたい、聴いてほしい。」自然と子どもたちの声も表情も豊かになり、大人はそれを真剣に受け止めます。
 「初恋の人のことを教えてください」の問いに、惑う大人の姿をみて子どもたちは安心します。顔を赤らめうつむきがちに話していた子どもたちも心を開き始めます。対話を通じて人の心が動く瞬間です。
大人と子どものおしゃべり新スタイル「トークフォークダンス」(千曲市)の画像1
「初恋の人のことを教えてください」懐かしみながらうれしそうな大人。頬を赤らめる男子中学生。
アンケートから
子どもたちより
「最後までうなづきながらちゃんと私の話を聞いてくれたことがうれしかった」
「大人のひとの大切なことを聞けてよかった」
「感謝して過ごしていくことが地域への感謝なのかな」
「知らない大人と話すのは苦手で、とても緊張したけれど自分でもよく話せた」
「はじめは平然を装っていたが地域の方がやさしく対応してくれて気がほぐれた」
「大人のひとたちの経験を聞いて、今の自分はちょっと困っているけど、もっと自由にしてもいいと思った」
先生の感想
「この子がこんなにしゃべれるのか」
「話す場と相手によっては、あの子も笑顔で対応できるんだ」
「台風の後にもかかわらず多くの地域の方々が集まるこの地域の力、人々の力に感動した」
地域では「(お)しゃべり(対話)の場づくり」が求められています。
なぜなら「おしゃべり」には相手が必要だから。
「しゃべり場」で少しだけ自分を開き、みせることで、ゆるやかなつながりができます。世代を超えて多くのつながりができることで、安心して暮らせる持続可能な地域になるのではないでしょうか。
(齊藤むつみ 長野支部シニア活動推進コーディネーター 2019.12)
大人と子どものおしゃべり新スタイル「トークフォークダンス」(千曲市)の画像1
台風直後にも関わらず、多くの地域の方々が集まった。この地域の力、人々の力に感動

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