信州版 人生ニモウサク劇場

このページでは シニア層の社会参加や 高齢者を支える 様々な取組をご紹介します。

  • シニア事例

長野県シニア大学を卒業し、「シニア地域プロデューサー」として「そば作り」を通じて、地元(大桑村)の里山再生、地域活性化に取り組む事例を紹介します。

80代シニア地域プロデューサーの挑戦「そば作り親睦会」(大桑村)

地域を元気にしたい
 シニア大学を卒業後さらなる学びを求めて、新設された専門コースに1年間通った大桑村の田口靖男さん。「シニア地域プロデューサー」として、80歳を過ぎてから新たな挑戦を始めようという地域への思いには脱帽するばかりです。
 少子高齢化で人口は右肩下がりを続け、維持しきれなくなった畑も草ばかりが元気に育つ姿を見て、里山の再生、地域の賑わいの復活を目指し、立ち上げたのが「街角テラス和み」。空き家の元々はガレージだった部分の屋根のあるスペースを借り、水道やロケットストーブという手作りの一斗缶を使っての火の確保、いすやテーブル、冷蔵庫や食器も整備され、「誰でも自由に使ってください」の貼り紙。そしてそこから始まった里山整備の一環として、休耕田を耕し、そばを蒔いて収穫し、自分たちでそばを打って食べよう!という「そば作り親睦会」の活動を開始しました。地域をなんとかして元気にしたい!という田口さんの思いに共感した地域の人達で会の活動日はいつも賑わっています。
80代シニア地域プロデューサーの挑戦「そば作り親睦会」(大桑村)の画像1
「街角テラス和み」のロケットストーブ
80代シニア地域プロデューサーの挑戦「そば作り親睦会」(大桑村)の画像2
「そば作り親睦会」の活動
気楽でさわやかな地域の居場所。
 畑で汗を流している男性陣にお茶の用意をしたり、おいしい昼食や終了後の懇親会の準備をするのは田口さんの奥さん、貞子さんを中心とした女性陣。畑作業も食事作りも、それぞれが大変ながらもおしゃべりをしたり軽口を言い合い、いつも楽しそうで、これがこの会へ参加される皆さんの大きな楽しみになっていると思わされます。
 そして街角テラスの一番の素晴らしいことはその立地。少し高台にあり、見晴らしも良く、吹き抜ける風のさわやかさは汗をかいた後に集う場所としてこれ以上ないくらい気持ちが良いのです。しかも、何といっても一番は、長靴を脱がず作業着のまま座れる場所だということ。着替えたり遠慮したりすることなく、気楽に座れる開かれた場所というのは、地域の居場所として、本当に素晴らしいと感心させられます。夕方からの一杯飲みの時に訪問したことはないが、きっと楽しいひと時であるに違いありません。
 年齢や体調で作業に参加できなくても、「見てるだけでも来て!」のひと言や、ひのきの笠に名称を入れるなど家で一人でできる作業をお願いしたりと、田口さんばかりでなく皆さんが自分の住む地域のみんなが笑顔になるよう、「地域プロデューサー」の役割を担っています。60代から90代まで、親子ほどに離れていても同じ地区で暮らす者同士、「街角テラス和み」を中心に 笑顔の絶えないつながりがいつまでも続いてほしいと思います。
(竹脇恵美 木曽支部シニア活動推進コーディネーター 2019.09)
80代シニア地域プロデューサーの挑戦「そば作り親睦会」(大桑村)の画像1
そば作りの様子
80代シニア地域プロデューサーの挑戦「そば作り親睦会」(大桑村)の画像2
皆でワイワイ

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