信州版 人生ニモウサク劇場

このページでは シニア層の社会参加や 高齢者を支える 様々な取組をご紹介します。

  • Co活動紹介

「一人で過ごすお家時間に手づくりマスクを作りませんか」と呼びかけたスマイル・プロジェクト。一人の想い、行動が、誰かの笑顔につながる…ここで生まれた物語をご紹介します。

 ~その先の笑顔に思いを馳せて~ 手作りマスクでつながる(中川村)

「マスク、嬉しかったんです。笑顔で過ごしますね、ありがとう。」
「もしもし。突然失礼します。マスクをいただいてねえ、とっても嬉しかったんです。」5月のある日、中川村で一人暮らしという方からお電話をいただきました。「今までは、白いマスクをしてたんだけど。いただいたマスクをして鏡をのぞいたら、しわが消えてね、とってもよく似合って…」「外から戻ったらお弁当と一緒に置いてあったもんで。嬉しくて電話しました。笑顔で過ごしますね。ありがとう。」
 その1週間前、中川村社協さんにスマイル・プロジェクトで集まったマスクをお届けしていました。ボランティアコーディネーターの米山さんに、マスクを渡しながら地域の様子を伺いました。「コロナで、これまでやってきたことが真っ向から否定されるような事態になっちゃってね。集まれないと何もできなくなっちゃうよね。」「でも、体操に来ている一人暮らしのおばあちゃん(95歳)が、マスクを作っちゃあ家族や近所の人にプレゼントしてたりするんだよね。」
 ~その先の笑顔に思いを馳せて~ 手作りマスクでつながる(中川村)の画像1
マスクと一緒に届けられた、たくさんのメッセージ
一枚のマスクにもエピソードが…
マスクをお届けする時には、マスクと共に寄せられたシニア(作り手)の皆さんからのメッセージもお伝えしました。「母が縫物をしていた姿を思い出しながら、一針一針、心穏やかなひと時でした」「40年ぶりにミシンを出して作ってみました」「子どもの小物に使った布が出てきたので…断捨離できました」「一人で過ごす時間、マスク作りが張り合いになって、自分の居場所を感じることができました」「もともと手芸が好きだったので…」「お役に立てるのなら…」などなど。また例えば、高齢者宅を訪問する際に手づくりマスクを一緒に届ける(駒ケ根市社協「出前サロン」)といった他地区の取り組み情報もお伝えするようにしました。すると「あっ、中川でもお楽しみ弁当(月一度、ボランティアによる配食サービス)にマスクをつけてお届けしようかな。」と米山さんがつぶやきました。そんなやりとりがあったので、こうしてマスクがこの方のもとに届けられたのだな、とすぐにわかったのです。
コーディネーターが届けるのはマスクだけではありません。マスクを介して多くの人の気持ちや情報、アイディアを届けています。そして寄付先の工夫によってさらにマスクがいろいろな役割をしながら活かされていきます。
 ~その先の笑顔に思いを馳せて~ 手作りマスクでつながる(中川村)の画像1
中川村社協さんへ寄付をする。宮下さん(左)米山さん(右)
ひとりのつぶやきから笑顔が広がる活動に
3月に、県シニア大学伊那学部卒業生の臼井さんが、「今、家でマスクをつくってるの。社協などに寄付したり、家族や友達、郵便配達の人に差し上げたりしている。自分にできることはこれくらいだから。」と話してくれた一言が心に残っていました。4月に長野支部で始まったスマイル・プロジェクトの提案に賛同し、伊那支部でも手作りマスクづくりを呼びかけました。毎日、色も形も様々、ゴム紐不足の中、使う人のことを想像し工夫されたマスクが届きました。そのたびに私達事務局も幸せな気持ちになりました。
お届け先からも、「色とりどりのマスクで元気になります。」「気持ちを寄せていただき、うれしいです。」といった声をいただいています。
マスクを作ってくださった方と、受け取った方の双方向の気持ちを載せた「スマイル通信」も発行しました。
 人と「会い」集まることは難しくても、気持ちを寄せ「合い」、つながりを感じられたら…と始めたスマイル・プロジェクト。幸せなエピソードが、あちらこちらに生まれています。これからも日常生活の中に笑顔の輪が広がっていきますように…。

(伊那支部シニア活動推進コーディネーター 藤井 佳代)
 ~その先の笑顔に思いを馳せて~ 手作りマスクでつながる(中川村)の画像1
毎日たくさんの手作りマスクがお手紙と一緒に届けられました。

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