“子ども守り隊”

千曲市

 帰宅途中の夕方。またま通りかかった道路の脇にグリーンのジャンパー姿の男性が目にとまった。背中には“子ども守り隊”の文字が見える。横断歩道を渡る子どもを見守る姿がなんともほほえましく思えて、思わず車を引き返して声をかけた。

 千曲市の治田(はるた)小学校の“子ども守り隊”として街頭に立つ青木さん。朝は6時半ごろに家を出て、7時過ぎごろから通学途中の子どもたちを見守り、家に戻るのは8時ごろ。午後は日にもよるが4時ごろの下校に合わせて歩道に立っている。晴れの日も、雨の日も。雪の日には雪かきもする。「今年の冬は寒くて大変だった」。

 千曲市の西側、八幡から稲荷山にかけての市街地は、迂回するバイパス道路が整備され大型スーパーも店を構えるようになり、治田小学校のすぐ脇もたくさんの車がバイパスを駆け抜けていく。青木さんによれば“子ども守り隊”の活動が始まったのは平成18年頃とのこと。普段は20名ほどの“子ども守り隊”が治田小学校の登下校を見守っている。

 「子どもとあいさつで言葉を交わせばうれしい」と話す青木さん。こうしたボランティアを通じて閉じこもりがちな団塊世代にも家から出てもらいたい、とのことだった。「さっきは通学路じゃないところを渡ろうとした子がいたから叱ったんだよ」と子どもを見つめるジャンパー姿が頼もしい。そこにいてくれることが、子どもと地域を支えている。




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