珈琲サロン

上田市

梅雨空の小雨の中、「珈琲サロン」の案内が貼られたドアを入ると、いつもと違う賑わいがボランティアセンターから漂ってきす。今日は丸子珈琲倶楽部の“珈琲サロン”、プレオープンの日です。

“珈琲サロン”は、昨年上田市社会福祉協議会が丸子地区で開催した男性向けのボランティア講座がきっかけでした。“男性を地域に呼び込むには?”。そのネタに選んだのがコーヒー。まずは講座を開いて、地元コーヒー専門店のバリスタ(※)を講師に招き、コーヒーの楽しみ方を学び、次のステップは、せっかく学んだ珈琲の知識を生かして、地域に一歩踏み出して活躍してほしい。そこで結成されたのが“丸子珈琲倶楽部”です。たとえばイベントや会議の合間など、地域の行事に出向いて淹れたてのコーヒーを振る舞います。これがなかなかの人気。くちコミで評判も広がり大活躍なのです。そこでボランティアセンターのコーディネーターさん、考えました。“さらにもう一歩、何かできないか?”。そこで思いついたのが“珈琲サロン”。

高齢者の世帯や独り暮らしが増える昨今、高齢者の居場所づくりへの関心が高まっています。誰とも言葉を交わすことなくその日一日を過ごす高齢者がいかに多いか。「こういう活動を通じて、孤独な方を少なくしていきたい」と語る珈琲倶楽部のメンバーさん。「自助と共助でこれからの時代を乗り切っていかなければ・・・」という言葉の響きには、住み慣れたこの街でずっと生きていきたい、という地域への愛着心の強さが感じられました。

はじめはまばらだった“お客”さんも、ひとり、またひとりとやってきて、気づけばテーブルも満席。馴染みの顔に混ざって、はじめてボランティアセンターに足を運んだ方もちらほら。賑やかに話す方もいれば、ゆったりと新聞を広げる方もあり、赤ちゃんをおんぶした女性の姿もありました。“コーヒーを通じて地域の情報を交換し、たすけあいの輪が広がってほしい”と話す“バリスタ”さん。丸子珈琲倶楽部、第二幕のはじまりです。

(*)イタリアの喫茶店(バール)でコーヒーを淹れる専門の方をバリスタ(Barista)と呼びます。バリスタが淹れる濃厚なカフェ(エスプレッソコーヒー)はイタリア人の生活に溶け込む日常の欠かせない習慣なのだそうです。


今日は珈琲サロンのプレオープン。いつもと違ってボランティアセンターにはジャズのしらべが漂います。


お揃いの黒いエプロンを締めて。丸子珈琲倶楽部の“バリスタ”の皆さんです。


コーヒーを淹れるしぐさも堂に入ってます。


最近は地域のあちこちからひっぱりだこなので、コーヒーの道具も増えました。


丸子珈琲倶楽部はフレンチプレスで淹れるので、タイマーは必需品です。


次々と訪れるお客さんに、バリスタも慌ただしいです。


一杯のコーヒーから人と人のつながりが広がる“珈琲サロン”でした。



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