年金が振り込まれる月の15日、千曲市稲荷山にあるスーパーの休憩室の一角には、「ひだまりほけんしつ」というのれんが架かります。年金の振込日に合わせて元保健師さんを中心に職場の元同僚たちによって「ひだまりほけんしつ」の活動が始まりました。
保健師として長年仕事を続けてこられた徳原さん。退職して親の介護もひと区切りがつくと、ぽっかりと時間が空いてしまった徳原さんは、自宅のある千曲市の社会福祉協議会ボランティアセンターへ「何かをしたいのだけど・・・」と相談を持ちかけました。そこで、地域のサロンや居場所づくりのヒントを得た徳原さんは、自分が培ってきたスキルを活かして活動できないものかと考えたそうです。その後、県内で取組がはじまった学校の養護教諭OBらが地域の子育て支援などを行う“まちの保健室”の活動を知り、活動の場所を自分たちで探した結果、千曲市内のスーパーの協力を得て「ひだまりほけんしつ」が始まりました。
「ひだまりほけんしつ」では、スーパーの休憩室入口脇に受付の机を置き、スタッフが対応します。休憩室の一角のテーブルを使い、血圧計を置くと保健室の出来上がりです。買い物帰りにカートを押しながら立ち寄る高齢の方が多く、買い物をした食材や、毎日の食事について話をお聴きしながらまずは血圧測定をします。常連さんも多くなり「元気でしたか」などと懐かしがりながら会話が弾みます。休憩室に立ち寄る子連れの親子も保健室を開いていることで、休憩室の会話の中に溶け込みます。立ち寄った方々は安心した様子で「次回もまた来るよ」と声をかけて帰られます。地域のみなさんがゆるやかにつながる「ひだまりほけんしつ」のような居場所がたくさんあるといいですね。
スーパーの休憩室の一角に「ひだまりほけんしつ」はあります。
休憩室の入口に置かれた机が“受付”になります。
受付ではひだまり保健室の健康相談記録票を受け取ります。
手作り番号札で血圧測定を待っています。
ちょっと不安な気持ちもぽろっとこぼせる保健室。