長野市中条地区梅木にお住まいの高山四女子(たかやましめこ)さん89歳。高齢化率100%という山間の地で中条村時代に始まった“お菜とりツアー”は、野沢菜の収穫期に気軽に野沢菜畑で欲しい分だけ野沢菜を買い付けて持ち帰るという、いわば“りんご狩り”の野沢菜版。そのお菜とりツアーの受け入れを高山さんは夫と二人で担ってきました。独り暮らしになった現在も、一人でツアーの受け入れを続けています。
夫が他界していったんはツアーの受け入れをやめることも考えたとのことですが、お菜(野沢菜)を育てることで、家に閉じこもらず外に出て、ご近所の方とも「芽が出たかい」「大きくなったかい」と会話が弾むそうです。「そしたら楽しいじゃないかい」と四女子さんは笑顔で話します。
お菜とりの季節になると、県内外からお菜とりのお客さんがやってきます。申込みの受付からお菜とりの段どりまでこなし、お菜とりの予約日には急傾斜地にある畑へお客を案内し、お菜とりの説明をする四女子さん。四女子さんが作るお菜がほしい、という常連客も多いそうです。
「知らない話を聞くのが好きでね。世の中には知らないことがたくさんあるが、お菜とりの受け入れをしていると、行ったこともないところの話や、人と出会えるのが楽しいだわい」と話してくださいました。
お菜とりのあとは、お茶とお漬物でもてなしながら、「ほ〜そうかい」と初めて聞く話に目を細めます。社会と繋がり、外の刺激を柔軟に受け入れ、変化を楽しむ四女子さんでした。ありがとう。
標高約700mに位置する中条梅木地区。四女子さんの自宅の前には『お菜とりツアー』受け入れ会場の看板が立っています。
野沢菜畑に案内する四女子さん。
まずはお菜の取り方を教えてもらいます。
お客さんと会話が弾みます。
オリジナル軍手が活躍しています。
「お茶でもどうだい」とお菜取りが終わったお客さんに声をかけます。
飴色に漬かった野沢菜を囲み、お客さんが話す見知らぬ土地の話に四女子さんは目を輝かせます。