上田市ではカラオケを活用した健康教室が盛んです。このプログラムを担っているのは地元で健康カラオケに取り組むボランティアグループです。この活動は、地元で飲食店を営む女性が地域への恩返しを考えていた折に、別所線のボランティア支援に取り組む方の熱意に心を動かされたのがそもそもの始まり。歌うことの健康への効果を生かし、市の介護予防事業と協働しながらカラオケを活用した健康増進プログラムを展開しています。参加者の年齢に合わせて曲目を選び、昔を回想することの介護予防効果も取り入れながら、だれもが知っている曲で参加します。たとえば熱海温泉へ旅行ツアーに出かける場面設定ではコスチュームに工夫を凝らしたバスガイドさんが登場し、参加者自身も“なりきっていただくことで非日常を体験してストレス発散”にもつながるとのこと。今後は地域のサロンを担う人材の育成にも取り組んでいきたいと高齢者の笑顔づくりに連日地域を飛び回っています。歌を通じた住民ボランティアと行政との見事なコラボレーションに各方面から注目が集まっています。
まずは健康づくりの資料を使って丁寧な説明です。
広告の紙を細く巻いて束ねた“パ・タ・カ・ラ”棒は口腔ケアの体操で使います。パ行は唇を破裂するように“パッ・ピッ・プッ・ペッ・ポッ”と発音して唇の運動。タ行はヘラを上あごに押し付けてヘラの運動。カ行は喉の奥の筋肉の運動。そしてラ行はヘラを丸めて発音してヘラの先の運動です。しっかりと噛むことも健康維持に欠かせない運動です。ちなみにこのパタカラ棒は参加者の皆さんへプレゼント。肩たたきにもちょうどいいサイズです。
バスガイドさんにふんしたスタッフさんが参加者を温泉めぐりの旅へ案内します。なりきって昔を思い出す回想の手法は介護予防にぴったりです。まずはみんなで『高原列車は行く』。「高原列車は ラララララ 行くよ♪」。
次は映画『愛染かつら』にちなんで男性参加者もナースキャップをかぶって主人公“かつ枝”になりきります。紙で作ったナースキャップも大切な手作りの演出です。
ゴムのひもを引っ張ったり伸ばしたりしながら『愛染かつら』の主題歌「旅の夜風」を歌います。そして「次の観光地、熱海に行きたいと思います」。
熱海といえば、“金色夜叉”。寛一とお宮になりきって「今月今夜のこの月を・・・」「はなせ!」「あーれー!!」
笑うことがなによりも健康づくりです。
最後は参加者全員で『青い山脈』。“おぉーレイッ!!”と教室中から笑顔があふれます。
講座ではその日の参加者の年齢層などによって当日の演出もその場でアレンジするので大忙しです。連日地域のあちこちに出かけて、高齢者に元気と笑顔を届けています。