日帰り農村体験“ほっとステイたてしな”

北佐久郡立科町

 木漏れ日が緑を輝かせる木立の中に分け入ると、奥から子どもたちの楽しそうな声が聞こえます。自分で間伐したヒノキを輪切りにしたり、竹を節のところで切って“カエル”を作っている最中でした。日帰り農村体験“ほっとステイたてしな”は、都会などの子どもたちが農村の日常体験を通じて生きる力を育むことを目標としています。体験するのはありのままの農村。だから手植えの田植え作業はしないとのこと。なぜなら、昨今の田植えは機械でするのが当たり前。ここで体験するのは農業ではなくあくまで農村の日常です。宿泊先で用意していただいた弁当を持参して、グループに分かれて受入先の家庭へ訪問します。体験する内容は受入家庭ごとに異なりますから、畑あり、ヤギの飼育あり、林業ありと様々です。その活動で一番大切にしていることが「あいさつ」。農村の日常を通じて人とのふれあいや自然や命の大切さを学びます。農村に暮らす高齢者にとっても、子どもたちと過ごす時間は、培ってきた経験や技術を生かせる大切な場となっています。


 この日お邪魔したのは林業のグループでした。そろそろお昼時でしたが、間伐材のヒノキを輪切りに一生懸命です。


「あと何個?」「校長先生の分も切らなくちゃ!」


ヒノキの香りが漂います。


あらかじめ間伐材を用意するようなことはしません。子どもたちが実際に行った間伐という作業によって周りのヒノキが成長していく自然の姿を、子どもたちは自ら体験します。


カエルです。固い節を切るのに子どもたちも四苦八苦。


これから受入家庭に戻って持参のお弁当で昼食です。ありのままの農村の日常から、人とふれあい、自然の中で生きる知恵を学びます。



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