木曽の宿場といえば奈良井宿や妻籠宿が有名ですが、木曽郡大桑村の野尻地域もかつての宿場の雰囲気を現代に伝える旧中山道のひとつです。その街道沿いの軒下に「地域の茶の間 ますや」という看板を掲げた民家があります。高齢者が集まる居場所に、と地元の女性が地域の協力を得て空き家を活用してはじめたコミュニティカフェです。それぞれが好きなものを持ち寄ってお茶を酌み交わしたり、四季折々の手仕事を楽しみます。誰もが気軽に立ち寄れる居場所づくりが、木曽谷の暮らしを大らかに支えています。
お邪魔したのは10時前でしたが、既に地元の方々でにぎわっていました。
街道沿いの軒下に掲げられた看板。
玄関の軒先に飾られたわら細工。
手作りの“さるぼぼ”をあしらえたわら細工は「ますや」さんのトレードマークです。
玄関先。“ただいま”という言葉が似合う我が家のような雰囲気です。
にぎやかな中の様子が静かな街道へもこぼれ伝わります。
手作りの布草履が出迎えます。
古布で編まれた布紐。あがり框(かまち)の柱に巻きつけた紐は玄関から室内へ入る際の手すり代わりになります。
製品作りも大切な集いの種です。
それぞれに持ち寄った品々でテーブルはにぎやかです。この時季の木曽路の名物“ほうばまき”もごちそうになりました。
くつろぎのひとときにコーヒーは欠かせません。
珍客の私たちにも、おいしいコーヒーをごちそうしていただきました。
和やかな時間が流れる「ますや」さんでした。